2006年10月07日
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コミックボンボン2006年11月号増刊 ガンダムマガジン 講談社

Written By: 川俣 晶連絡先

 本屋でちらっと雑誌コーナーに目をやったとき、我が目を疑いました。

 ガンダム雑誌が2つもある……。

 言うまでもなく、ガンダムA(エース)というのが毎月出ているわけですが、それと並んで、「ガンダムマガジン」という似て非なるものが並んでいました。

 しかも、コミックボンボン増刊!

 つまり、角川ではなく、講談社ということです。

 そもそも、ガンダム専門雑誌が1つ存在するだけでも異常事態なのに、それが増えるとは、ガンダムバブルもここまで来たのか!

元祖の逆襲か? §

 それに、ボンボンだからといってバカにしてはいけません。コロコロ、ボンボンといえば、低年齢層向け2大漫画雑誌ではありますが、実は今時のガンダムコミックの礎を築いた「機動戦士ガンダムMS戦記 富野由悠紀/近藤和久」はボンボンの掲載作品であり、これは1985年に講談社コミックスボンボンがら出版されています。この作品は、ジオンのMSパイロットになる少年を主人公にしていますが、そもそも敵として描かれたジオン側に感情移入するような作品が描かれるというのは、子供向けであっても子供騙しではありません。更に、軍隊の汚さも情け容赦なく描きます。尊敬できる立派な上官もいれば、汚い上官もいます。

 映像面でも手を抜いていません。きちんと描き込まれたサラミスを見て、「サラミスとはこんなに格好良いものなのか!」と認識を変えた切っ掛けになったのもこの作品です。ファーストガンダム本編よりも、より緻密で存在感を持って描かれたサラミスが、ボンボンのコミックスで読めたという衝撃は、当時としてはかなり大きなものです。

 つまり、ボンボンというブランドは、ガンダムコミックの元祖を主張するだけの根拠があり、一方で、ガンダムAの今ひとつ煮え切らない中身(といっても最近はろくに読んではいないのですが)を考えれば、「おまえらに本当のガンダムコミックスというものを教えてやる!」という意気込みで講談社が殴り込んできてもおかしくない……という気がしました。

 というわけで、かなりのレベルで「野次馬根性」を出して購入しました。

 って、野次馬かよ! (汗。

(追記)感想について §

 本書の感想はトーノZEROに語らせた方が良いということで、語って頂きました。下記参照。